日本へ帰国が決まったら、アメリカの銀行口座はどうする?

更新日:7月26日
いつも当サイトへお越しくださり、誠にありがとうございます、
Research担当のカリフォルニア州不動産エージェント REALTORⓇのSaoriです。
不動産のことからアメリカでの生活面、帰国に際しての相談など、あらゆるご相談をいただく機会が多いのです。その中でも、日本への帰国が決まると、ビザや住まいの手続きだけでなく、「アメリカの銀行口座をどうするか」という問題も出てきます。
何も問題がないときには心配なく過ごせていても、「もしも・・・」のことを考えた時不安になることもありますよね。
例えば、
帰国してもそのまま維持できるの?
日本から出入金、振り込みなどアメリカにいた時のように使える?
自分や親が日本で亡くなったら万が一のとき、家族はお金を引き出せる?
アメリカ在住なので銀行へ行けない
年金や配当金はアメリカの銀行で受け取った方が良い?
実は、帰国後のステータス(米国市民・永住権・ビザなど)によって、選択肢が変わります。
この記事では、日本へ帰国する際に知っておきたい銀行口座のポイントをまとめました。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。銀行ごとに取扱いが異なり、税務・法律上の取扱いも個々の状況によって異なります。実際のお手続きについては、各金融機関および税理士・CPA・弁護士などの専門家へも日本のご確認ください。
まず考えたい3つのポイント
帰国前に、次の3点を整理しておきましょう。
登録住所はどこにするか
アメリカに家族が残るか
ビザや永住権を維持するのか、それとも放棄するのか
これらによって、口座を維持できるかどうかや、税務上の取り扱いが変わる場合があります。
ケース① 米国市民として日本へ帰国する場合
米国市民の場合、日本へ移住しても米国での納税義務が継続します。
アメリカ国内に家族がいる場合は、その住所を銀行へ登録し、口座を維持できるケースがあります。
また、
Social Security(年金)
配当金
その他の入金
などの受取口座として利用できる可能性もあります。
一方、日本が居住国になるため、日本での確定申告が必要になる場合があります。
ご利用の銀行のルールによって異なりますので、確認してみましょう。
税務は個々の状況によって異なりますので、必ず日米の税務専門家へご相談ください。
家族とのジョイント口座も選択肢
家族がアメリカに残る場合は、ジョイント口座にしておく方法もあります。
日本で生活費をどのように受け取るかも含め、家族と事前に話し合っておくと安心です。

ケース② 永住権・ビザを放棄する場合
永住権やビザを放棄すると、米国では「非居住者」となるため、銀行によっては口座維持が認められない場合があります。
銀行によっては、
郵送先住所
非居住者向け書類(W-8BEN)
などの提出を求められます。
W-8BENとは?
W-8BENは、
「私は米国非居住者です」
ということを銀行や金融機関へ届け出る書類です。たいてい直筆のサインが必要と言われますので、郵送での提出の場合が多いです。
提出後も、税務申告が必要かどうかはご自身の状況によりますので、税理士・CPAへ確認しましょう。
米国銀行で口座維持が難しい場合
帰国前に、非居住者にも対応している銀行へ口座を移しておくという方法があります。
US Bankという選択肢
例えばUS Bankでは、帰国前に通常口座を開設し、帰国後に非居住者口座へ変更できるケースがあります。
US Bank ホームページ▼▼
この方法であれば、
日本住所へのStatement郵送
非居住者としての管理
などが可能になります。
オンラインバンキングも可能ですし、日本語サービスもあります。
また、休眠口座にならないよう、定期的な入出金を行うことが推奨されています。
US Bankの資料によると、休眠の目安は以下のとおりです。
チェッキング口座:約11か月
セービング口座:約23か月
休眠状態が続き、本人と連絡が取れない場合には、州へ残高が移管(Escheat)される可能性があります。
詳しくはこちら▼▼
―抜粋―
休眠口座および移管(escheat) 休眠口座とは、長期間使用していない口座を指します。 州法により異なりますが、「休眠」とは、特定の期間(例えば以下のような期間)、 当該口座に関するお客さまからの入金、出金、その他の連絡が一切なかった状態を指します: • チェッキング口座 - 11 カ月後 • セービングス口座 - 23 カ月後 セキュリティ上の理由から、取引の承認確認のためにお客さまに適時に連絡できない 場合、当行が休眠状態と分類した口座からの出金または送金を拒否する場合があります。 エスチート(escheat)は、口座が休眠状態になった後、お客さまに連絡が取れなかった場合に、 口座残高を州政府に移管するプロセスを指します。
Cathay Bankという選択肢
Cathay Bankでも非居住者口座を利用できる場合があります。
Cathay bankホームページ▼▼
状況によっては、
居住地は日本
Statementは米国内住所または日本
という設定が可能なケースもあります。
一方で、
利率
投資口座の利用制限
英語での手続き
などは銀行へ確認が必要です。
オンラインバンキングも可能です。
口座を維持する場合に確認したいこと
口座を維持する場合は、次の内容を確認しておきましょう。
登録住所
電話番号
Statement送付先
Paperless設定
W-8BEN提出の有無
Paperlessを利用していても、重要なお知らせは郵送されることがあります。
必ず受け取れる住所を登録しておきましょう。
日本で生活費を受け取る方法
日本で生活する場合、資金の受け取り方法も考えておきましょう。
例えば、
Wiseなど海外送金サービス
日本の銀行口座への送金
米国銀行のATMカードを利用(セブン銀行など)
といった方法があります。
なお、Wiseで日本の銀行口座を登録する場合には、マイナンバー確認書類が必要になることがあります。
ATM利用は便利ですが、
為替レート
ATM手数料
海外利用手数料
などがかかるため、利便性とコストのバランスを考えることが大切です。
万が一に備えてやっておきたいこと
帰国後に病気や事故などで本人が手続きできなくなるケースも考えておきましょう。
① サイン権(Signer)を登録する
信頼できる家族がアメリカにいる場合は、サイン権を付けておく方法があります。
サイン権があれば、
小切手発行
一定の資金移動
などが可能になる場合があります。
※銀行によって権限は異なります。
② アメリカに家族がいない場合
アメリカ国内にサイン権を持つ家族や知人がいない場合、帰国後の資金移動は簡単ではありません。
元気なうちに日本の家族と話し合い、必要であれば早めに資金整理をしておくことをおすすめします。
亡くなられた場合はどうなる?
本人が亡くなられると、多くの場合、銀行口座は凍結されます。
その後、
Probate(プロベート)
と呼ばれる相続手続きへ進む可能性があります。この場合の手続きは、完了までに1年から2,3年に及ぶこともあります。
相続人が日本在住の場合、
米国弁護士への依頼
英文書類の準備
場合によっては渡米
が必要になることもあります。ご親族に費用面や時間的な面から負担をかけてしまうことにもなりかねません。
Beneficiary(受取人)登録をしておきましょう
口座にBeneficiary(受取人)を登録できる銀行もあります。
銀行によっては、
Transfer on Death(TOD)
という制度を利用できます。
一般的に登録する内容は、
氏名
生年月日
住所
続柄
SSNまたはTax ID(ある場合)
などです。
投資口座だけで、Checking/Saving口座は対象外というケースもありますので、ご自身の銀行に確認しておきましょう。銀行によって必要書類の提出後、受取人が資金を受け取れる可能性があります。
必要になることが多い書類
一般的には次のような書類が必要になります。
死亡証明書(日本の場合は戸籍謄本と英訳など)
Claim Form
パスポート等の本人確認書類
W-8BEN(非居住者の場合)
送金先情報
すべて英語での手続きになることも多いため、米国の弁護士や専門家へ依頼するケースが少なくありません。
注意点は?
銀行によっては、
主な居住地が米国外になった場合、Beneficiary登録やTOD制度の対象外になることがあります。
制度は銀行ごとに異なるため、必ず事前に確認しましょう。
お一人で帰国される方へ
アメリカに家族がおらず、今後米国に戻る可能性がない方、利用予定もない場合は、銀行口座を整理・解約してから帰国することも一つの選択肢です。
なお、Social Security(アメリカ年金)は、日本年金機構を通じて日本の銀行口座で受け取れる制度があります。その時に備えて、”ソーシャルセキュリティーカード”をしっかり保管をしておきましょう。
サイトでもご自身の受取額などについて確認することができます。Statementもダウンロードできます。こちらも登録しておきましょう。
参考:日本年金機構のサイト:アメリカの年金を日本国内で請求したいのですが、何を提出すればよいですか?
まとめ
帰国準備では、引っ越しやビザの手続きが優先されがちですが、銀行口座の整理もとても重要です。
特に、
非居住者になった後の口座維持
送金方法
万が一の備え
Beneficiary登録
などは、元気なうちだからこそできる手続きです。
「そのうちやろう」と思っていると、帰国後には手続きが難しくなることもあります。
ぜひ帰国前に一度、ご自身の銀行へ確認してみてください。
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