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8月更新:アメリカ住宅ローン金利の最新動向と今後の展望

  • 執筆者の写真: AKIVARK
    AKIVARK
  • 8月23日
  • 読了時間: 12分

更新日:8月28日

いつも当サイトにお越しくださり、誠にありがとうございます。

今回もアメリカ不動産、カリフォルニア州不動産、アメリカの住宅ローン金利について、最新の報道や経済指標をもとに、弊社ローンオフィサーのTakashi Akibaおよびリサーチャー/REALTORⓇのSaoriの見解を交えて解説いたします。


今月の経済・金利動向まとめ

7月12日までの1週間の失業保険継続受給件数は、およそ1,946,000件とされ、景気の減速を示すサインとして注目されました。その後、8月2日までの週では一時2,005,471件まで上昇しましたが、8月9日週には1,972,000件に減少し、大きな改善は見られないもののやや落ち着きを見せています。


FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が利下げを示唆していることに対して、市場が反応、

8月22日には、ダウ平均株価が初の過去最高値で終えています。


また、米国国債の利回りは7.1ベーシスポイント低下し4.258%となり、東部時間午後3時時点の水準で8月13日以来の最低水準となりました。同時に住宅ローン金利にも反映され、全米平均6.67%と低下しました。



最新の住宅ローン申請動向

2025年8月8日までの週のMBA(Mortgage Bankers Association of America)週次住宅ローン申請調査によると住宅ローン申請件数の指標である市場総合指数は、前週比10.9%増加し、借り換え指数も前週比23%増加しました。(季節調整済み)


MBAの調査に関するプレスリリースでは、このように述べています。


「先週、30年固定住宅ローン金利が6.67%に低下したことで、4月以来最も活発な借り換え活動が活発化した週となりました。借り手は好意的に反応し、借り換え申請は23%増加しました。これは主に通常ローンとVAローンの申請によるものです」と、MBAの副社長兼副チーフエコノミストであるジョエル・カン氏は述べています。


借り換えは申請の46.5%を占め、最近の借り換えブームと同様に、平均ローン額は36万6,400ドルと大幅に増加しました。借り換え額が大きい借り手は、引き続き金利の変動に敏感です。


前年同期比では17%増加しています。これは先月に引き続き、Home Valueが上昇しているためと、やや金利が低下していることから、リファイナンスの申請が増えていると予想します。


*参考:なぜリファイナンスの申請が多い?

Home Valueに対するLoanの割合、Loan to Valueが低いほど、低い金利をとりやすくなり、毎月の支払い額も低くなります。そのためこの時期に申請をしておきたいHome Ownerが多くなります。


下のグラフは

・米国10年国債(青)

・30年住宅ローン金利の全米平均(緑)

・S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Index(赤)

注)全米の住宅が、どれくらい値上がり・値下がりしているかを示すグラフです

を示したものです。

なお先月7月23日現在の30年住宅ローン金利の全米平均は、6.72%でしたが、

8月22日現在、6.67%へやや低下しています。



詳しい数値はこちらからご覧いただけます👇


7月の全米不動産市場は?

全米リアルター協会が発表しているレポートをもとに、ロイターがまとめた記事を抜粋してご紹介します。


米国の中古住宅販売は7月に予想外に増加したが、住宅価格高騰と住宅ローン金利の高騰により購入者の住宅購入能力が低下傾向にあることから、販売ペースは依然として低迷している。


全米不動産業者協会(NAR)は木曜日、7月の住宅販売戸数(季節調整済み年率換算)が6月の393万戸から2.0%増加し、401万戸となったと発表した。ロイターが調査したエコノミストは、中古住宅販売戸数が6月とほぼ横ばいの392万戸になると予想していた。販売戸数は前年同月比で0.8%の小幅増加となった。



それでも依然販売戸数は低い水準で、住宅市場の崩壊が引き金となった2007年から2009年の景気後退期よりも低くなっています。


7月の販売在庫

  • 155万戸:住宅在庫総数、6月より0.6%増、2024年7月(134万戸)より15.7%増加。

  • 販売在庫は4.6か月分で、6月の4.7か月から減少し、2024年7月の4か月から増加しました。


7月の中央販売価格

  • $422,400: すべての住宅タイプの既存住宅価格の中央値

  • 昨年の$421,400 より 0.2% 上昇。前年比での価格上昇は 25 か月連続。


さて、7月のレポートで注目すべきは現金での購入者の割合です。7月は31%で、前年の13%から増加しています。

現在は購入者に有利な”バイヤーマーケット”です。より良い価格交渉ができる絶好の立場にあり、加えて販売在庫もコロナ前レベルになっているため、選択肢がより多くなっています。


何度も弊社見解でお伝えをしておりますが、サブプライムローン問題を受けて、政府系住宅ローン機関はより厳格な審査基準を設けています。そのため、前回のような大規模なバブル崩壊になる可能性は低いと考えられています。



不動産市場と住宅ローン金利の動向(2025年8月23日時点)

不動産市場が引き続き慎重な動きを見せている背景には、「住宅ローン金利の高止まり」が挙げられます。

現在、30年固定住宅ローン金利の全米平均はおよそ6.7%前後で推移しており、先月よりやや低下したとはいえ、依然として買い手にとっては高水準です。


今後の市場の安定と需要の回復を見込むうえで、6%前半までの金利低下が重要な鍵になると考えられています。実際、金利のわずかな変化によって、買い手・売り手の動きが大きく変わる可能性があり、9月FRB(連邦準備制度)による政策決定には注目が集まっています。


トランプ政権の政策と今後の展望

トランプ大統領の関税政策は今も株式市場や金利動向に影響を与えていますが、9月にかけて大きな注目点は、FRBによる利下げ期待でしょう。先月まではパウエル議長は慎重な姿勢をみせておりましたが、来月のFOMCでの利下げを示唆しています。



年内の住宅ローン金利見通し

先月もお伝えしておりましたが、市場では「景気後退感に対して、金利の水準がやや乖離している」という指摘も多く、金利が今の経済状況に見合っていないとの声があります。

来月0.25bpsの利下げが行われたとして、年末にかけては、依然30年固定金利は平均6.1〜6.2%前後で推移するというのが、市場の大方の見方です。



カリフォルニア州不動産市場は?


カリフォルニア州の7月のマーケットをみてみましょう。



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  • 🔻 販売戸数(年率換算):261,820戸(前年比-4.1%)

  • 💲 住宅価格中央値:$884,050(前年比-0.3%)

  • 💹 住宅ローン金利(30年固定):6.72%(前年6.85%)

  • 🏘 販売在庫:3.7カ月分(前年 2.9ヶ月)→コロナ前の水準を超える勢い

  • ⏳ 成約までの日数:中央値28日(前月より8日長期化)


「販売在庫」は3.8カ月分と、3.5か月を超えているのが驚きです。


そして今月の特徴は価格の値下げです。


  1. 当初の価格よりも値下げしている物件、41.7% 値下げ率 4.8%

  2. コンドミニアムのコンドミニアムの販売在庫が前年は3.0か月だったのに対し、4.5か月へ増加していることと、

  3. タウンホームを含むコンドミニアムタイプの物件の販売価格中央値は、前年の$680,000,

    前月の$670,000 から 約$647,000へ下落しています

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ファーストバイヤー向け価格帯に見られる取引の特徴

最近の住宅市場では、ファーストバイヤー向けの価格帯において流動性がやや低下している様子が見られます。その背景の一つとして、相続物件の売却が市場価格を押し下げている傾向があると考えられます。

特に、相続された物件は「Move-in ready(すぐに入居可能)」ではないケースが多く、内装や設備が長年手入れされておらず、アップデートされていないことが少なくありません。


そのため、リモデルに予算を割けないファーストバイヤー層にとっては敬遠されやすく、なかなか成約に結びつかないという傾向が見受けられます。



相続物件に多く見られる販売パターン

こうした相続物件では、価格交渉の余地があることが多く、相場より低めの価格で成約するケースや、バイヤーコミッションや修理費用などを考慮した「Concession(売主による譲歩)」を交渉材料に使う取引もよく見られます。

具体的には以下のようなケースが挙げられます:

  • 売主が早期売却を希望し、マーケット価格より低めに設定している

  • 修理費用を見込んで、買主が価格交渉を行い、販売価格を下げる

  • クレジットやクロージングコストの一部負担など、Concessionを提案し、成約を後押しする

このような傾向は、バイヤー側にとっては交渉のチャンスがある一方で、物件の状態によっては予想以上の費用がかかることもあるため、インスペクションやリモデルのコストの見積もりを事前にしっかり確認することが重要です。


自己資金を頭金に入れるか、低い購入金額でリモデル費用に充当するか、プランに応じて戦略が必要になるますし、加えてバイヤーコミッション費用の支払い方法も考慮に入れてプランを立てる必要があるでしょう。



それではどのような要因が住宅ローン金利に影響を与えるか、もう一度振り返ってみましょう。


住宅ローン金利に影響を与える要因

1. 余談を許さない地政学リスクと関税の不確実性

トランプ大統領の減税や関税の可能性に加え、地政学リスクも考えておかなくてはなりません。

短期ではなく、長期的な視点で投資を考える時期でしょう。


2. FRBの金融政策ー9月の利下げ期待高まる

FRB(米連邦準備制度理事会)は住宅ローン金利を直接設定しませんが、その政策決定が住宅ローン金利に影響を与えます。もし、FRBが利下げを決定しても、すぐ住宅ローン金利に反映されるわけではありませんが、失業率の増加、新規失業保険申請件数に注目しておきましょう。

前述のように、9月に利下げの期待が高まって、市場も反応しています。


3. 10年国債利回りー4.2%を切るか、切らないか?

30年固定住宅ローンの平均金利は、10年国債利回りと密接に連動しています。インフレが高止まりし、労働市場が堅調であれば、債券利回りと住宅ローン金利は上昇します。

4.2%よりも低下する場合、6%に限りなく近づくと予想します。


4. 投資家の期待と市場の動向

債券投資家はFRBの将来の金融政策を見据えて行動します。パウエル議長の発言が、市場へ影響を及ぼしたように、米国10年国債への影響は大きいです。この数字の推移に注目しましょう。


今後の住宅売買の戦略

現在、多くの市場で販売在庫は増加しているものの、一部地域を除いて大幅な値下げはまだ見られません。しかし、改装されていない物件はやや市場価格よりも低めで取引される傾向にあります。バイヤーマーケットにシフトしている現在は、バイヤーにとっては価格交渉の余地があるでしょう。セラーにとっては、価格や物件のコンディションによって価格だけではなく、販売活動期間にこれまで以上に大きな影響を与えます。


金利が高いと感じても「今、買う」ことの考え方

現在の住宅ローン金利がやや高めに感じられるとしても、長期間住む予定がある方にとっては、購入価格を低く抑えられる今が好機といえるかもしれません。

その理由のひとつが、「固定資産税(Property Tax)」です。


🔍 固定資産税は購入価格が基準に

カリフォルニア州では、固定資産税は一般的に購入価格の約1%が毎年課税されます。たとえば、購入金額が$10,000低く抑えられれば、年間で約$100の節税につながります。

  • 10年で $1,000

  • 20年で $2,000

といったように、長期保有すればするほど、購入時の価格が将来的な支出に与える影響は大きくなるのです。



バイヤーが今準備すべきことを挙げておきましょう。特に自営業や経営者の方のTAX Documentの準備はとても重要です。

  • クレジットスコアを高め、安定させる

  • 収入の安定を確保する

  • 頭金を準備する

比較的マルチプルオファーの”競争”が落ち着いている今、希望の物件が見つかれば購入を決断し、将来的に金利が下がった際にリファイナンスする戦略も有効でしょう。

今後も住宅ローン金利や市場動向を注視しながら、最適なタイミングでの住宅購入を検討することをおすすめします。


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